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中国へ提供する技術は特許技術に限る

2015年に発表された中国製造2025.

「2025年までに世界の製造強国入り」というロードマップを示しています.

 

すでに中国製造2025を実現するために数多くのプロジェクトが実施されています.

そして、これらのプロジェクトを推し進めるために日本やドイツなどの製造強国企業との業務提携が結ばれ多くの合弁企業が設立されています.

 

問題は2025年以降.

つまり中国が製造強国入りを果たしたあとです.

 

製造強国入りに必要な技術は全て導入したのであれば、業務提携を維持する必要はなく合併契約も解消します.

その結果、これまでの友好関係が一転して敵対関係になります.

 

業務提携中は中国製造2025のプロジェクト実施のために多くの先端技術が中国へ提供されます.

しかし、業務提携や合弁が解消されたあとのことを考えるなら、中国へ提供する技術は特許権が設定された技術に限るべきです.

 

業務提携中は、自由に使えた技術であっても、その技術が特許発明であれば、自由実施が不可能になるからです.

 

中国では出願日から20年まで特許権を存続させることができます.

2005年以降に中国で特許出願した技術であれば、2025年以降においても特許権の効力を及ぼすことができます.

 

中国で特許を出願するときは部品の意匠も出願しておく

ネットのオークションを覗いてみると、ベンツの部品やBMWの部品が数多く出品されています.

オークションで純正以外の部品を安価に仕入れて修理を依頼するのだそうです.

このような純正以外の部品の多くが世界の工場と言われている中国で製造されています.

 

製品に対して特許を取得しておけば、その製品に使われる部品を他社が無断で製造すれば特許権の侵害になると思っている方が多いと思います.

 

間接侵害の規定がある日本は、製品に使われる部品も保護しています.

しかし間接侵害の規定がない中国において、製品に対して特許を取得しただけでは、製品に使われる部品を製造販売しても特許権の侵害にはなりません.

 

製品だけでなく部品についても特許を取得できれば良いのですが、部品自体は汎用技術を使っているので特許を取得できるような技術的特徴がないことが多いと思います.

 

特許が無理でも意匠なら部品の権利の取得が可能です.

技術的な特徴がなくても外観のデザインに特徴があるとして部品の意匠権を取得しておくのです.

中国の場合、意匠は無審査で登録されるので権利は容易に取得できます.