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FTA時代の海外商標戦略

FTAにより関税障壁がなくなるとビジネスは国境を越え複数の国が一体になります.

例えば、これまで中国で製造されていたモノは中国とFTAを締結しているASEAN各国で製造されるように変わっていきます.

そしてASEANで製造されたモノは中国だけでなくASEANとFTAを締結している国に輸出されるようになります.

 

このようにFTAにより複数の国が一体になっても、商標は各国で登録すること変わりはありません.

ところが新しく商標を登録しようと思っても、すでに登録されている商標と類似する可能性が高いため、希望する商標を登録することは年々難しくなっています.

このような商標の枯渇に対応していくために、文字と図形など複数の要素を組み合わせた結合商標を考えざるをえなくなります.

 

ここで頼りになるのがコーポレートブランドです.

コーポレートブランドが強い識別力を持っている場合、コーポレートブランドを組み合わせた結合商標も識別力を持ち、商標類似のハードルをクリアして商標登録される可能性が高くなります.

将来のビジネスに備えて、その国でコーポレートブランドを確立させておく簡単な方法は、その国でコーポレートブランドの商標登録を済ませておくことです.

 

商品の製造・販売を始めるときは、すでに商標登録されているコーポレートブランドと商品ブランドを組み合わて出願すれば確実に商標登録を成功させることができます.

 

商標ロイヤリティを使った資金回収

海外から資金を回収する手段として使われるロイヤリティを最適化したい.

多くの国においてロイヤリティは関税の評価基準となる課税価格の加算要素になります.

したがって高いロイヤリティを設定してしまうと課税価格が上がり関税も上がります.

関税は現地での販売価格に反映するため、設定するロイヤリティにも限界があります.

 

課税価格を低くし関税を抑えることが、これまでの貿易取引では必要でした.

しかし関税が減免または免税になるFTAを利用する場合、課税価格を低くするというこれまでの束縛から解放されます.

 

現地での価格競争力を上げるためには、製品の取引価格を上げるという方法は採りにくいので、取引価格を下げ、それによる不足分をロイヤリティで補うという方法が活発になります.

 

ロイヤリティのなかには、特許権や商標権のように現地での登録が必要なものがあります.

例えば部品を中国に輸出し、中国で完成品を製造・販売するような場合、中国からロイヤリティを使って資金を回収するためには、中国で特許権や商標権を登録しておく必要があります.

 

 

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